Starlings Of The Slipstream

今日もどうもありがとう ほんとにいい日だった

日記(2月2日)

スキャンティブルース、Smellセルフカバー

本人による歌唱を聴いてしまった後でカバー元の彼らの曲を聴くと、相対的に川本真琴の凄さが浮かび上がってくる。スキャンティブルースからもう12年経つらしい。それは俺も年をとって当然だ。

ジュニーニョ・ペルナンブカーノ引退

シルヴァン・ヴィルトールが、ヨン・カリューが、シドニー・ゴヴが、そしてカリム・ベンゼマペナルティエリアの内側で倒されるよりも、僕らはおよそゴールから25メートル離れた位置で彼らが倒される事を望んだし、彼のフリーキックによって、ミカエル・ランドローや、ユルリク・ラメといった偉大なるフランス国内のゴールキーパー、ひいてはチャンピオンズリーグでのビクトール・バルデス(彼にゴールを守る余地すら与えなかった2009年冬のあのゴールは今見ても鳥肌が立つ)やイケル・カシージャスらが守るゴールマウスがいとも簡単に撃ち抜かれることを目にしてきた。無回転という言葉が先行し、多くの場合においてその魅力を脚色されたジュニーニョフリーキックは驚くほどに早く、そして正確だった。

そもそも、オリンピック・リヨンリーグ・アン7連覇とは、ジュニーニョ・ペルナンブカーノのことである。何より、オリンピック・リヨンがあのレアル・マドリーを一度のみならず何度も圧倒するという半ば少年漫画のような展開を目にすることは、到底彼抜きでは有り得なかった。しかし、あれからリーグ・アンもすっかり様変わりし、あの頃のリヨンに残された選手がまさかヴェルクートルだけになるとは思いもしなかった。レヴェイエールは宿敵マルセイユと同じ水色のナポリのユニフォームに袖を通し、前述のランドローはバスティアゴールマウスを守っている。パリ・サンジェルマンの象徴は、今ではすっかりズラタン・イブラヒモビッチになってしまった。そして、あのスティード・マルブランクが、リヨンの若手の見本となってピッチを走り回っている。本当に、時代は変わってしまった。

現在のブンデスリーガを見れば分かるように、一つのリーグを一つのクラブが、つまり一強支配という構図は、自分の応援するクラブへの諦念を露わにし、時にある種のファシズムを生む。他方では、サッカー界に押し寄せる資本主義の波が、20世紀に創り上げてきた様々な歴史を塗り替えてしまった。あのリーグ・アンですら、そうなのである。かつてのオリンピック・リヨンの一強支配と現在のパリ・サンジェルマンASモナコの姿を見るのは、一体どちらが幸せな光景だというのだろうか。